「ありがとう」 ...これ、昨日買ってくれたのかな 尊弥の手からパンを受け取る。 私の空っぽの手にパンを置く尊弥の手は大きかった。 「学校に着いたら食べるね」 「おー」 パンをかばんにしまって、駅までの道をひたすら歩く。 「...」 「...」 そこにはやっぱり会話なんてなくて、 いつもより駅が遠く感じた。