これはきっと恋じゃない。






07:30


何とかいつも通りの時間に家を出ることが出来た。



駅までの道を二人並んで歩く。



すぐ隣、くっつきそうなほどの距離に伸びる黒い影。




「飯は?」



「食べる時間なかった」



私よりも長く伸びる影がゆらゆら動くのを目で追う。


影は少しの間動いたあと、私の方に何か差し出して止まった。



「ん?」




差し出された手にはパンがあった。