先輩の熱を感じながら思う。


男性恐怖症が治っているわけじゃないんだ。


先輩だから。先輩だから安心できる。


なんでだろう?


私よりも大人で、優しいから?話を聞いてくれたから?人の傷を受けとめて、自分のものにしてしまう人だと知ったから?


よく分からない。どうしてこの人に惹かれるのか。


キャー、という悲鳴が聞こえてきて、自分が今ジェットコースターの待機列に並んでいるということを思い出す。


すっと体温が下がり、唇が乾燥する。


何度も回転し、うねるコースターを見るだけで気が遠くなりそうだ。


なんだかお腹まで痛くなってきた気がする…