「それに、柚月ちゃんはかわいいよ」 夕陽に、先輩の金髪がきらきらと光る。 私は眩しくて、恥ずかしくて、目を伏せる。 「今は無理でも、少しずつ、柚月ちゃんが男の人が大丈夫になるように俺も協力するし!」 「…無理ですよ、そんなの」 期待して、絶望して。それの繰り返し。 大丈夫になる日なんて、きっと来ない。 私は先輩に背を向けて、足を前に進めた。