「どう?気持ち悪い?」 私はゆっくりと目を閉じる。 体は強張っている。でも、不思議と吐き気はしない。 なんだろう、なんか… 「先輩、香水つけてますか?」 いい匂いがする。 「ん?つけてないよ。」 これは、先輩の匂いなのかな。 初めて知る香り。これは、好きな匂いだ。 「いい匂い」 先輩の声に、ドキリとする。 「え?」 「柚月ちゃんの匂い。俺、好きだよ」 ぶわっと。 体中が、熱くなる。 なんだ、これ。 なんか私、変だ……!