「おはよー柚月」


「おはよ」


席に着くと同時に、咲がニヤつかせた顔を向けてくる。


「…なに?」


「朝から仲良さげだったねー」


「な!どこから…!」


咲が窓の外を指差したので、私はそこから下を見る。


…ああ、ちょうど花壇のとこが見えるんだ。


「ほんと、柚月がここまで男の人と接するなんてね」


「だーかーら!誤解だから!迷惑してるの」


「あーはいはい、そうだねー」


「もう、咲!」


ブー、とバイブ音がして私は荒げていた声をとめる。


ポケットに入っていた携帯を取り出して、スクロールする。


「なになに、柳先輩から?」


「知らないし、あの人の連絡先なんて」


新着メールが一件。


心臓が、ドクン、と音を立てる。


知らない、人からだ。