「ここ、試験に出すからな!メモっておけよ」


先生の声に被さるようにしてチャイムが鳴る。


ノートや教科書を閉じる音、シャーペンや消しゴムを筆箱に入れる音。


「はい、起立ー」


私は一刻も早く終わらせたくて、すぐに立つ。


だらだらと授業を終える挨拶をして、休み時間になる。


私はすぐにカバンから携帯電話を取り出してメッセージを開く。


…先輩からメッセージは来てなかった。


「やっぱりまだこない?」


声に顔を上げると、お弁当箱を持った咲が困ったように笑っていた。