「あ、じゃあさ、賭けしない?」 先輩は細長くて白い指を器用に動かしながらトランプをシャッフルし始める。 「柚月ちゃんが勝ったら、俺はもう来ない。俺が勝ったら、明日からも来るよ。どう?」 「そんなの、やりません!」 「ふーん、負けるのが怖いんだ?」 にやり、と口元に笑みを浮かべた先輩を見て私はイラっとする。 「まさか!私が負けるわけありません!」 「じゃあやろうよ、ね?」 …余裕そうにしてられるのも今のうちなんだから!