保健室に行くと里美ちゃんが驚いた顔で私たちを出迎えた。
先輩がうまく説明してくれて、里美ちゃんに私を任せてくれる。
「ありがとう、柳くん。あとは任せて」
「はい、お願いします。俺、ちょっと用事できたんで」
そういう先輩の顔が鬼の形相なのは気のせいだろう、きっと。
「せ、先輩」
出て行こうとする先輩の背中に声をかけると、先輩は私を振り返った。
「ありがとう、ございました。助けてくれて」
「…俺はまだ怒ってるからね？」
先輩は目を細めてそのまま保健室を後にした。
…ですよね、やっぱり。
「柳くんと付き合ってるの？」
「うえっ！？」
里美ちゃんの唐突な質問に私は思わず変な声が出る。
