咲に、着替えててもらうように言ってトイレを済ませ、着替えを持って更衣室に向かう。


「ちょっと、1年」


肩を掴まれ、思わず転びそうになる。


「…なんですか」


声をかけてきたのは、先輩の同級生の…泣いていた女の人だった。


「そこ、2年の更衣室だから。1年は資料室。話聞いてた?」


「…すみません」


睨まれているのを自覚しながら、私は資料室に向かう。


あそこまで露骨に悪意をむき出しにされるとさすがにくるものがある。


私はため息を1つついて、資料室のドアを開ける。


中には誰もいなかった。


もうみんな着替え終わった?


とりあえず早く着替えようと思って体操服を脱ぎ、制服のシャツを手にとって息を飲む。


「…ひどい」


背中の部分が思い切り切られていた。これじゃ着れない。


畳まれた状態だったから気づかなかった。


これは…どうしたら…


ガラッとドアの開く音がして、私は思わず影に身を隠す。


そっと覗いて、私は悲鳴をあげそうになるのをこらえた。


「俺らが更衣室とかどういう風の吹き回しだろうな〜」


同じクラスの男子だとすぐにわかった。