そこは暗い暗い闇の中だった。

 「君は寂しくないの?」

 「私は大丈夫だよ。」

 僕には一人ぼっちで闇の中にいる彼女の辛さが考えられなかった。

 またあの夢か。
そこに出てくるのは自殺で亡くなった彼女の姿だった。
 
いつも夢に出てくるときは闇の中、一人でいる彼女の姿だった。
 
僕も彼女を亡くしてから一人ぼっちだ。両親共に早くに亡くしていて今は一人暮らしだ。

 でもだからこそ僕は孤独が怖い。

 僕の名前は新藤匠《しんどうたくみ》、二十八歳だ。茶髪で少し年齢よりも大人びて見えるがそれ以外はごく普通の男だ。スポーツも勉強もごく普通だった。今は一人暮らしをしている社会人だ。

 僕はいつもの仕事のコンビニで働いていた。

その時だ。

 「いらっしゃいませ」
 
亡くなったはずの彼女がそこには立っていた。