どうも、おかしいな。
とは、思ってた。
柊くんはしっかりとツブれて、あたしは仕方なく、
半身を預かって抱えるように歩いて、何とか家までたどり着いた。
いつもこういうヒトだったら、構わずに路上に放っておくんだけれど、柊くんに、それは絶対に出来ない。
ドアを閉めて、鍵を掛けるために片手を離すと、柊くんは、ちょっと崩れた。
崩れたついでに、あたしをドアと自分の間で押しつぶしてる。
「江間さん…」
声が、半分泣いてる。
あたしは表情を見なくていいように、腕を回して抱っこした。
「オレ……なんで、こんなに縛られないといけないんだろう」
お。吐露し始めた。
初だな、こんなの。
しかし、縛られてるんだ。
多分、奥さんにってことだよな。
もっと遊びたいのに、自由に出来ないんだよ!!
っていう、わがままな理由では、きっとない。

