「だから、そういうとこだよ。向こうは一生関わりたくないんだよ。あなたのことなんてどうでもいいから。なのに、どうしてこんなやり方で、無理やり関わってくんだよ。放っといてあげなよ。向こうはあなたのように執着なんかないんだよ」

ああ。

目の中の、狂気が色濃くなってる。

「凪くんは、かっこいいもんね。強くていいヒトなのが滲み出てて、あのかっこよは内側から作られてるんだよ。少し、見習えばいいんだ。あなたの場合は、その上っ面に惹かれて女の子がいっぱいやってきても、みんなすぐに逃げてくんじゃないですか?薄っぺらで何にもないヒトなんだな。つまんないって、分かっちゃうから」
勝手な想像だけど、頭に来てるから止まらない。

柊兄の目に、ちょっとだけ、怯えが見えて、憎悪がわいてくる。

刺されるかもな。

ゆっくりいたぶれるほどの、余裕を、奪ってしまってる気がする。

そう思ってたら、同意された。

「刺されたいの?」