誰が大人しく、顔だけ切り刻ませるかっていうんだ。

目いっぱい抵抗してやる。

身体中傷だらけでも、顔に傷を食らうダメージよりはいい。

あたし的にも、柊くんに対しても。

「ふん。オレに勝てると思ってる?」

思ってない。

でも、全面降伏してやるつもりもない。

「弟の友達、切り刻む趣味の気持ち悪い兄がいても、あたしは柊くんの友達止めないから」

「気持ち悪い?」

「気持ち悪いでしょ。柊くんのお兄ちゃんなのに、凄く薄っぺらな人だなとは思ってた。でも、その薄っぺらさの浅い奥には、こんなつまらない、弟への嫉妬心しかないなんて」

「誰が嫉妬だって?オレが、あいつの何に嫉妬する必要があるんだ?」

あおっちゃダメなのに、あたしは、かなり、この状況に頭に来ているらしい。

我慢が利かない。