綺麗なブルーを描けません

思考回路が乱される。

「あっ、…あたし…すごい面倒くさいヤツじゃん」

どもってるし。

柚葉さんはふって笑う。

「今頃気付いたんだ」

はい、今頃気付きました。

ごめんなさい。

「いろいろ追い掛け回してくれてたのに、気が付かなくて悪かった」

「あたしが、勝手にやってたことだから。それに、柚葉さんに何にも言わなかったし」

「…そうだよね。気が付くほどのことは何にも言われなかった。…って」

逃げ場がなくて、それはあきらめてたのに、柚葉さんはさらにこの距離を詰めた。

「もう、オレはどういう立場だっていい。何だっていいから、ここに引っ越してきて欲しい」

あたしの背中が柚葉さんの腕にゆっくりと絡めとられていく。

柚葉さんの方に引き寄せられている。

柚葉さんが喋ってる内容が、全く入ってこない。

心拍数が尋常じゃなくて、そのクセに、酸素が足りなさすぎる。

あたしより少し背が高いから、あたしの頭に柚葉さんの顎が当たってる。

「…ここに、来てもらえる?」

声が、頭の上から降ってきて、その、声に溶けた呼気に、意識も、立ってる力も奪われそうになる。