綺麗なブルーを描けません

「…うん。何かね、一緒にいるときの他人からの羨望のまなざしを捨ててでも、同性だったらよかったって思うことあるんだ。そしたら、もっとわかってあげられるし、今だって、寂しいのが嫌だったから一緒に住んでたと思う」

「…女の子だったら…柊、可愛かっただろうな」

「…そうだね。結局いっしょにいるあたしは、みんなから羨望のまなざし向けられるんだ」

「…ついた」

言って見た方向を、あたしも見上げる。

こげ茶色な建物。

簡易なオートロックの扉を抜けて入っていく。数段の階段を上がって、中一階的な空間に出る。

その、一番奥の部屋が、柚葉さんの部屋らしい。

ロックを外されたドアを柚葉さんは押し開ける。

「どうぞ」

あたしは、覗き込みながら、中に入る。

濃い色のフローリング。

カーテンが開けられていて、明るい部屋。

割とガランとした印象。

「…ワンルーム、なんだ…」

言った瞬間、奥に扉を見つけた。

後から入って来た、柚葉さんが、先に中に入っていく。

それから、奥の扉を開ける。