綺麗なブルーを描けません

ちょっと怒ってる。

「…うん。行きたい。あ、でも歩いてるだけでもいいな。街の中にいるのって好き。…あ、独りで歩けよとか言わないでね。柚葉さんと歩いてるのが楽しいんだよ」

あ、また、押してる。

思ったけど、途中で言葉を変える訳にもいかなくて、言ってしまう。

「…あの…あたしの言うこと、あんまり真面目に取らないでいいから。聞き流して下さい。聞き流して軽くあしらわれてないと、調子が狂います」

「…そう言われてみたら、そうだったかもな。エマはけっこうそういうこと言う子で。オレは、全く気にしてなかったかも。…嘘じゃないんだろうけど、深い意味はないんだろうなって思ってたから。…何か、オレ、ずっと悪いことしてたな」

ああ、気にさせてしまった。

…でもそういうこと言うイメージなんだ。

言いだしたのって、比較的最近なのにな。

柊くんと出会う前なハズないんだ。

「深い意味ないです」

言い切っておこう。

「…そういえば、柊が言ってたんだ。エマって、普通に生きられるとこまで他のヒトに追っついてないから、いろいろ焦るなって」

「焦る?」

「あ、いや。…普通の反応されなくても気にしないでって。…何か、あの細やかさは、女の子の友達みたいだな」

「かも。信頼できる、大人なヒトであって、ふっと現実に戻ると、一緒に歩いてることを軽く嫉妬されそうな格好いい男の子でって。…いいでしょ?」

「いいのかもな。…柊の兄ちゃんってさ、超美形だったけど、柊の方がいい男だよな」

「そう思う。お兄さん、薄っぺらだ。柊くんの方が、ずっとカッコいい。何て言うんだろう。自力でかっこ良くなったんだよ。与えられたんじゃなくて」

こっちをみて、笑った気がして、柚葉さんを見る。

「…本当、大好きだね、柊のこと」