綺麗なブルーを描けません

あたしなんかの言葉に、力があるとは思わないから、平気で言えるのに、今の柚葉さんは、真面目に受け取ってくれてしまう。

…悪かったかな。

「…別に責めてないですよ。あたしが勝手に寂しがってただけなんで」

「あ…うん」

また、動揺されてる。

…うん、やめよう。

あたし、悪気はなかったけど、一方的に押しまくってる状態になってる。

「…家、探すの大変でしたか?楽しかったですか?あたしは、会社が勝手に用意してくれてたから、探す楽しみも面倒さも分からなくて」

「前にも独り暮らしだったじゃん」

「地元だったから、土地勘もあるし。外観と、内装と家賃で、あ、ここ。って即決だったから。あんまりよく分からない」

「…そうか。オレ、どうだったかな。…楽しかったかな。いろいろ頭の中でシュミレーションしながらだったから、凄く脳みそが疲れたかな」

柚葉さんは、言いながら、視線を街並みに向ける。

「都会の好きなトコロ。歩いている道の脇に、お店がいっぱいあるところ。行ききれないくらいの店に囲まれて、選択肢がいっぱいあるとこ。…結局、そんなに行かないんだろうけど、そこに、いつでも行ける状態の店があってくれるだけで、何か嬉しい」

呟くように言う。

「…でも、いっぱい行こうね」

「え?あたし?」

「ほかに誰かいる?」