綺麗なブルーを描けません

あたしの落ち込みは、歪んで、淀んでいる。

グッサリ刺さったキズを、素直に痛がれない。

「...柚葉さんのこと考えてるの?」

考えてなかったので、慌てる。

「自分が相手にされないのは、当たり前だから、悲しんだらいけない...とか、考えるのはダメだよ。真っ直ぐに、悔しいな、悲しいなって思うんだ」

「うん」

でも、仕方ないなって思ってしまう。

辛くて悲しいのに、柚葉さんが誰か、自分じゃない人を選ぶのは当たり前のことなんだって。

こういうとこが、歪んでいる。

自分を攻撃してしまって、余計に辛い。

「柚葉さんのさ、どこが良かったの?」

残りのビールをゆっくりと飲みながら、訊かれる。

「...知ってるけどね。オレも、柚葉さん好きだから」

柚葉さんは、ヒトが大好きで、すぐにそこにいる誰とでも仲良くなって。

でも、すごく気を使う人で、人のこと、悪く言わないヒトで。

「柊くんの、わからないとこで言うと、見た目と声が好き」

「そうか。...似たようなヒトいないかなあって、今、必死で考えたんだけど...心当たりがなかった」