太陽が真上にくるころ光が少しだけ通っている薄暗い森の中に1人の少女がいた。

少女は迷子の子どものように不安そうな顔をし、キョロキョロと辺りを見ながら歩いている。

「どうしよう……。地図通りに来ているはずなのに森の出口に着かない……」

少女は地図をカバンの中にしまい、その場に座った。
そして目をつむりうとうととしだした。

少したちあたりが薄暗くなってきた頃に眠っている少女の近くに若い男が近づいてきた。
すると男は少女の肩を揺らした。

「おい、こんなところで寝ていると危ないぞ」

少女は目を覚まし男を見た。

「えっあ、あれ?わ、私ここで寝てましたか?!」

「あぁ、ぐっすりとね」

男は無表情のまま言った。
そして手を差し出し立ち上がらせた。
少女はお辞儀をした。

「で、あんたこんな所で何してんの?」

男は少し怪しそうな目で少女のことをみた。
少女は少し慌てた様子で話し始めた。

「わ、私はレイというもので、旅をしています」

レイは少し早口で自己紹介をした。
男は珍しそうにレイのことをみた。

「女で旅をしてるやつは初めて会ったよ。俺はキハート。実は俺も旅をしているんだ」

レイとキハートは握手をした。