それは突然に訪れた。
人々が気づいていたのに誰1人気に止めなかった。

日本は食料争奪戦に巻き込まれた。
各地の民家は襲われ畑は荒らされ、街中の食物を奪われた。

人は必死になった。
人は必死になった。
人は必死になった。
人は瀕死になった。

全てが遅かった。
泣き叫ぶもの、祈りを捧げるもの、自ら命を絶とうとするもの。
日本は、世界は混沌に包まれた。

どこにも、誰にも逃げ道なんてなかった。



そして僕はあの日、光を見た。

アニメの世界なんて嘘だと。
漫画の世界なんて造り話だと。
想像は創造できないと。

知ってた、わかってた。

別次元の主人公は普通の日常が、普通じゃなくなる瞬間ってこんな感じなんだろうか。

全てが、ひっくり返った。


僕は手を伸ばす。
僕は手を伸ばす。
僕は手を伸ばす。
僕は手を掴む。

まだ、生きていたいと、強く思う。

やり残したこと、沢山あるんだ。
もっと世界を知りたい。
将来の夢だってある。
そういえば昨日始めたパズルも作りかけだ。
宿題だって終わってない。
今日は友達と約束したんだ。
早く第四公園に、向かわなきゃ。
大好きなあの子だっているんだ。

...あぁ、そうか。

君にまだ好きと言ってない。


「助かりたい?」


声が聞こえるんだ。
すぐそこなんだ。
僕は手を掴んだはずだ。

声は震えるけど、掠れるけど、
伝わるか分からないけど...っ



「い、ぎっ.....、だいぃっ...!!!」





僕は確かにナニカを掴んだ。