キーンコーンカーンコーン 最終下校時刻を知らせるチャイムがなった。 まだ残っている生徒は少なく、 私が中庭を探している間、 ぽろぽろと何人かが私を見ながら廊下を通り過ぎていく。 「…どうしよう。 ないよ… 」 「何がないの?」 !!! 急に背後から声が聞こえた。 私は驚いて後ろを振り向いた。 そこにいたのは、 たく兄だった。