学校に着くと見慣れない車が止まっていた。


どこかで見たと思った。




これって…白石ん家の車と一緒だ。



青い車、昨日見たものと同じ機種に見えた。



誰の車だろう、こんな車いつも見ないのに…



そう思っていると、ちょうど運転席から誰かが降りてくる。


現れたのは俺のクラスにやって来た教育実習生だった。



「おはようございます」



「おお、おはよう。君、3組の高津君だよね?」


「え……あっ、そうですけど。」



びっくりした。
まさか名前を覚えてくれているなんて。


女子から言い寄られて、その分、女子の名前は覚えているのはおかしくないけど、


俺はまだ1度も話したことはなかった。



「…あの、どうして俺の名前…?」



「ああ、イケメンだから覚えちゃった。」



この時についた俺のこの実習生への印象はただただチャラいということだけだった。


「先生はなんでこんなに早いんですか?」


「原田監督にサッカー部の朝練に誘われてね




そこで俺はやっと気づいた。


原田先生がよく口にする浅井という卒業生の名前、それがこの実習生であるということを。



その事を浅井先生に言うと自慢げな顔になった。



結構とっつきやすい人なんだなっと思った。



初めの浅井への印象はチャラいけど好印象であった。

でも、ひとつ気になるのは、こいつが白石と幼馴染だということ。


白石はこいつと仲がいいのか?

こんなチャラそうなやつと??


……想像つかねー。

わざとあいつの前でチャラくしてた俺は、いつもビンタくらってるぞ。