白石の家の前の通路にでると、誰かがすぐ近くに立っていた。


「……」


「もう帰るの?」



浅井先生だった。


「ええ、用事があるので。」



「そっかー。蒼衣の友達なんだからいつでもくればいいじゃない。
どうせ俺ももう時期いなくなるんだし。」

「え…」

「実習期間だけ、ここでお世話になってるの。他の人には内緒ね?」


実習期間だけ、となると明日でここを出るのだろうか。


「……浅井先生は、白石のこと、好きなんですか?」


俺は聞きたくもない質問をなぜかしていた。
この人が白石を好きだとしたら、俺は白石をあきらめなくてはならないのかもしれない。
だけど、浅井先生の白石に送る視線がただの幼馴染の女の子に対するものではないことは、なんとなくわかるんだ。


「…うん、好きだよ」

っ・・・・

はぐらかすかと思ったけど、浅井先生はまっすぐ俺の質問に答えた。
自信すらも感じるその答えに俺は何も言えなくなり、


「…そうっすか。…じゃあ俺帰ります。」


まじで、メンタルやばいわ…。