彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)





「順調に回復してるよ。この調子なら、今月末には包帯が取れるね。」

「傷跡、残りませんか!?」

「大丈夫だよ。」

「よかった!ありがとうございます!!」



私を抱きしめながら、頭を下げてくれる瑞希お兄ちゃん。

その姿に、トキメキと嬉しさで胸がいっぱいになる。



「ご、ごめんなさい、お兄ちゃん。ご迷惑をおかけして・・・」

「ばか!凛は悪くないんだ・・・!それよりも、怪我したらすぐにシゲ先生に頼れよ!?金は、俺らでカンパしてるからな!?」

「うははは!瑞希はん、わしはー!?」

「お前もだ!つーか、現役龍星軍、全員に言っとけ!お願いしといたからよ!」

「いつでもおいで。半世紀以上医者をしてるから、24時間対応できるよ。」

「ありがたいですが、シゲ先生・・・・先生こそ、睡眠不足とか、大丈夫ですか?」

「私は昼寝をするからね。平気だよ。」

「うははは!わかるわー!わしも、365日、毎日昼寝してんねん!昼前の陽だまりが気持ちいいんや!」

「365日昼前って・・・・学校では寝てないよね、ヤマト?」

「わしの席、日光のあたり加減が最高なんや!睡眠学習に最適やねん!うはははは!」

「寝てるだけでしょう!?」



〔★勉強になってない★〕



「うははは!凛は働きすぎなんやって!長い人生、のんびり行こうや~!?」

「ヤマトがのん気すぎるんですよ!てか、今は勉強の話でしょう!?」

「やめろ、オメーら!」

「そうだよ。学生は勉強が本分。ちゃんと勉強しなさい、ヤマト君。」

「うははは!耳が痛いわ、センセー!」

「凛君も、動きすぎだから、今日は早く帰って眠りなさい。」

「そうっすね。凛、今日はもう帰れ。」

「え!?瑞希お兄ちゃん、帰ってきたばっかりなのに!?」

「それがどうした?」

「ど、どうしたって!僕的には、肩でも叩いて、もんで、お疲れを癒して差し上げたいと・・・!」


少しでも彼に触れていたい。

ギュッと瑞希お兄ちゃんにしがみ付けば、グーで頭をポンと軽く叩かれた。



「怪我人が気を遣うな。むしろ、俺の方が癒してやんなきゃダメなんだからよ。」

「じゃ、じゃあ!もうちょっとお兄ちゃんの側にいていいですか!?」

「かまわねぇーけど、俺これから風呂に行くんだけど?」

「そ、そこまではお供できません!!」



過去の映像がよみがえり、後ろ歩きで瑞希お兄ちゃんから離れる。



〔★セクシーな回想だった★〕