「凛、やっぱり・・・」
「だ、大丈夫です!半分、顔を隠しながら見ますから・・・」
両手で目元を隠しながら画面を見る。
「頑張るな、凛たん・・・。」
「ふむ、根性はあるじゃないか。78点だな。」
「ああん!凛ちゃんのおびえる姿も可愛いわぁ~いつでも涙を拭けるように、モニカちゃんのタオルを貸してあげる♪」
そう言って差し出された時、画面の中で大量のゾンビが発生する。
《うおぉうおぉ!!》
《ごおおおおお!!》
《があああああああ!!》
「きゃああああ!」
「り、凛ちゃん!?」
とっさにタオルをつかみ、頭からかぶる。
「あううううう・・・!」
「わははは!こういう奴いたよなぁ~!頭から布団かぶりながら、ホラーもん見る奴!」
かぶったタオルの隙間から、片目だけで映像を見る。
「そうまでしてみなくていいだぞ、凛・・・?」
「うあああああ!ぼ、僕一人のせいで台無しには~!怖い、怖い!」
〔★すでに台無しだ★〕
CGか特殊メイクかわからないけど、おぞましいゾンビが画面の中で暴れまわる。
新鮮な肉を求めて、残りわずかな人間を食い殺していく。
「凛、無理しなくても・・・」
「僕のせいで上映を中止には~」
「あーわかった、わかった。よしよし。」
私を後ろから抱きしめると、優しく頭をなでててくれる瑞希お兄ちゃん。
「みーちゃんズルいわ~凛ちゃんを独り占めして~」
「あれは仕方なかろう。烈司、このDVDは確かは・・・?」
「ああ。一応、シリーズものなんだけどなぁ~凛たんに全部見せていいものか・・・」
「わはははは!本人がいいって言ってんだからいいだろう~!?」
そんな会話が聞こえたかもしれないけど、それどころじゃない。
(だれよ、ゾンビなんて考えたの!?フランケンシュタインでいいじゃないの!?なんで感染するのよ!?お肉食べれなくなるじゃないの!?)
《痛てぇよぉ!た、助け・・・!》
《ガウガウガウ!》
《ピチャ!ペチャ!ズズズ!》
《あー!!あああ!助けて!助・・・痛てぇ!ああぁ・・!》
《ガツ!ガツ!ガツ!》
「わははは!凛助ぇ~ケンタッキー食うかぁー!?」
「食べれませんよっ!」
生きたままゾンビの群れに食われてるシーンで、なんてこと言えるのよ!?
てか、なんで食べてるのよ!?
〔★軽い嫌がらせだ★〕


