慌てふためく後輩達を見ながら、呆れ気味に瑞希お兄ちゃんも言う。



「手分けしてでもいいから、ちゃんと終わらせろよ?なんかつまめるもんでも用意してやっから。」

「プチトマトにしてくれ、瑞希。頭がよく回る・・・!」



獅子島さんの言葉を受け、苦笑いしながら瑞希お兄ちゃんがキッチンに行く。

それを横目に円城寺君が悔しがる。



「ちくしょー!集会が遠ざかるとは!」

「あたしゃ、集会できるか心配になってきたわ・・・」

「元気出して、カンナさん。中止になったわけじゃないし、僕も手伝いますから。ね?」

「コラりんどー!カンナに色目使うな!」

「リンリン、俺にも優しくして~!」

「我が君の愛を俺に・・・!」

「キモいんだよ、オメーらは!凛にBL感情持ってんのかぁ!?」

「そうだぞ!凛さんに親切を要求しやがって!凛さん、すんません!ここの問題教えて下さい!」

「オメーもある意味、凛に親切を要求してるじゃねぇーか、可児!」

「俺は瑞希先輩に教えてほしい・・・」

「ほほーこの俺がいるにもかかわらず、俺よりも偏差値の低い他の奴に聞きたいはいい度胸だな、円城寺・・・!?」

「げげげ!?そんなつもりは~勘弁してくださいっ、獅子島先輩!」



うっかりこぼした円城寺君の本音に、ハードカバーの本を構える獅子島さん。

ヤバいと思ったので、助けるために止めに入った。



「落ち着いて、獅子島さん!円城寺君は、あなただけを独占しないために言っただけですよぉ~!」

「ほお、独占とな?」

「そうです!教え上手な獅子島さんを仲間に譲ろうという、円城寺君なりの優~」

「おーい、プチトマト、用意できたぞ~!凛、運ぶの手伝ってくれ!」

「はーい、瑞希お兄ちゃん♪今行きます!」

「って!?最後までフォローしていけよ!?」



〔★凛は好きな人を優先した★〕