彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「ねぇ、ぼっしー。」

「どうしました、つなぐ?どこが、わかりませんか?」

「それもあるけど~俺、この部屋の中を見て気になってたんだけどさぁ~」



そう言って、テキストから視線をはずしていたつなぐが言った。




「あれって、お札なの?」

「え?」




つなぐが指さした先にそれはあった。



「あ。」

(あんなところに・・・)



忍者の末裔が言う通り、御札があった。

自分の視線より上にあったので、今まで気づかなかった。



「本当ですね・・・」

「え?ぼっしー知らなかったの?」

「ここはヤマトの家ですからね。」

「そうだけど・・・ねぇ、いつからあるのさ、ヤマト君?」

「うはははは!あれかー!?あれはのぉ~」



つなぐの質問に、家主はのん気に答える。



「わしが引っ越した時からや!」

「ヤマトが貼ったんですか?」

「ちゃうちゃう!烈司はんが貼ってったねん!」

「「「「えっ!?」」」」



途端に、爆裂弾面々の表情が凍り付く。



「はあ!?なんで、宗方先輩が!?」

「おいおい!霊感のある宗方先輩が御札って~!」

「ウェイウェイウェイ!烈司先輩、霊感ある系なの~!?」

「そういう噂はある。」

「いや、ガチだぞ。」

「てことは、ここって、なんかあるんじゃねぇーだろうな!?」

「え?えーと・・・」

「うはははは!なんもないで~!」



深刻な顔の一同に、ヤマトはのん気に言った。



「安いだけの事故物件やさかい!」


「じ・・・・!?」

「「「「「事故物件!?」」」」」

「ヤマトー!!」



みんなの反応を見て、遅かったと思いつつも言った。



「言葉を選んで言いなさいよ!」

「てことは、凛は知ってたのか!?」

「え?え、ええ・・・残念ながら。」

「つーことは、明らかになんかあったってことか!!?」

「うはははは!わしが住んでからは何もないで、カンナはん?」


「「・・・お前が住んでからは・・・?」」

「・・・・鬼ヤバ系・・・?」



それで、爆裂弾以外の面々の表情も固まる。

にもかかわらず、ヤマトは気にせずしゃべり続けた。