アスファルトの焼けるニオイ。
熱を帯びた風をさけ、子供達はしゃべっている。
「ヤバいよなー龍星軍。」
「ヤバいヤバい。」
「怒らせたら、最後って奴?」
「イマドキ、ガチで族ってレトロだけど、ヤバいよな?」
「イケてるよね?」
「凛道さん、次はいつ、集会するのかな~!?」
「会いたいよ~凛道蓮さん!」
夏が終わっても、若者達の凛道蓮への熱は収まらない。
そんなことを知らない本人は、白い特攻服に身をまとって動こうとしていた。
「凛さん。」
「なに、可児君?」
バリオスに乗った時、声をかけられた。
「あの・・・お耳に入れたいことが・・・」
「なんですか?」
「凛さんのこと・・・嗅ぎまわってるカタギのようなのがいるらしいんですけど。」
「一般人が僕を?」
聞き返せば耳に、爆音が響く。
「凛―!早く行こうぜ!」
「リンリン、カモ~ン♪」
「うはははは!総長が来んと、集会にならへんでぇ~!?」
「今行きます。」
「凛さん、お話はまだ――」
「教えてくれてありがとう、可児君。」
険しい顔の友達に伝える。
「気をつけるから、心配しないでください。」
「ですが・・・」
「ピンチになったら、みんなに甘えます。可児君を・・・頼ってもいいよね?」
「も、もちろんですっ!!」
「じゃあ、行きましょうか?」
「押す!!」
僕の名前は凛道蓮。
龍星軍の4代目総長で、得意な武器はトンファー。
世間は僕をジャック・フロストとか、ヤンキーらしくないという。
僕もそれでいいと思う。
楽しい仲間と優しい先輩に囲まれて、やんちゃな青春を送ってる。
そんな僕の弱点は――――
「準備できたのか、凛。」
「瑞希お兄ちゃん。」
初代総長であり、元ヤンでもある真田瑞希さん。
「あんまりはめはずして、事故るなよ?」
「大丈夫です。眠気覚ましに、お兄ちゃんのコーヒーを飲んだんですから。」
「帰ったら、甘いアイスココアを出してやるからな?」
「うん!」
私の頭を撫でる手に、向けられる言葉に幸せを感じる。
僕が、『凛』が、望むのは、瑞希お兄ちゃんの側にいること。
「気をつけて行って来いよ、凛。」
「はい、瑞希お兄ちゃん。いってきます。」
好きな人に見送られてバイクを発進させる。
彼のためなら、何でもできる。
偽名を名乗り、男の振りをしてヤンキーもできる。
それが私、菅原凛の『内緒の恋』だから。
~1人じゃない!みんなに、愛しい人に溺愛された夏の日々!!~完~
~彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)~完結~


