彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)





アスファルトの焼けるニオイ。

熱を帯びた風をさけ、子供達はしゃべっている。




「ヤバいよなー龍星軍。」

「ヤバいヤバい。」

「怒らせたら、最後って奴?」

「イマドキ、ガチで族ってレトロだけど、ヤバいよな?」

「イケてるよね?」

「凛道さん、次はいつ、集会するのかな~!?」

「会いたいよ~凛道蓮さん!」




夏が終わっても、若者達の凛道蓮への熱は収まらない。

そんなことを知らない本人は、白い特攻服に身をまとって動こうとしていた。






「凛さん。」

「なに、可児君?」




バリオスに乗った時、声をかけられた。




「あの・・・お耳に入れたいことが・・・」

「なんですか?」

「凛さんのこと・・・嗅ぎまわってるカタギのようなのがいるらしいんですけど。」

「一般人が僕を?」



聞き返せば耳に、爆音が響く。



「凛―!早く行こうぜ!」

「リンリン、カモ~ン♪」

「うはははは!総長が来んと、集会にならへんでぇ~!?」

「今行きます。」

「凛さん、お話はまだ――」

「教えてくれてありがとう、可児君。」



険しい顔の友達に伝える。



「気をつけるから、心配しないでください。」

「ですが・・・」

「ピンチになったら、みんなに甘えます。可児君を・・・頼ってもいいよね?」

「も、もちろんですっ!!」

「じゃあ、行きましょうか?」

「押す!!」




僕の名前は凛道蓮。

龍星軍の4代目総長で、得意な武器はトンファー。

世間は僕をジャック・フロストとか、ヤンキーらしくないという。

僕もそれでいいと思う。

楽しい仲間と優しい先輩に囲まれて、やんちゃな青春を送ってる。

そんな僕の弱点は――――





「準備できたのか、凛。」

「瑞希お兄ちゃん。」





初代総長であり、元ヤンでもある真田瑞希さん。



「あんまりはめはずして、事故るなよ?」

「大丈夫です。眠気覚ましに、お兄ちゃんのコーヒーを飲んだんですから。」

「帰ったら、甘いアイスココアを出してやるからな?」

「うん!」



私の頭を撫でる手に、向けられる言葉に幸せを感じる。

僕が、『凛』が、望むのは、瑞希お兄ちゃんの側にいること。





「気をつけて行って来いよ、凛。」

「はい、瑞希お兄ちゃん。いってきます。」





好きな人に見送られてバイクを発進させる。

彼のためなら、何でもできる。

偽名を名乗り、男の振りをしてヤンキーもできる。

それが私、菅原凛の『内緒の恋』だから。











~1人じゃない!みんなに、愛しい人に溺愛された夏の日々!!~完~


~彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)~完結~