彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)







ベッドの上で、ほてった身体を冷ましていた。

生まれたままの姿で、一点を見つめていた。

目の前の画面に映るのは、間抜けな半グレ達が捕まった様子が流れてた。



「馬鹿みたい・・・」

「電話、間に合わなかったのか?」



シャワールームから出てきた男が、楽しそうに語り掛けてくる。

感情を押し殺して、すました顔で伝えた。



「みたいね。黒木も運がなかったのよ。」

「ははは!せっかくアキナが、真田の弟が紛れ込んでるって教えてやったのにな?」

「ホントよね~」





(せっかく、MESSIAHの黒木をたきつけて、龍星軍と戦わせるつもりだったのに・・・・!)




私の作戦は失敗。



「黒木には、金かけてやったんだろう?損したんじゃないのか?」

「ハーブで稼いだあぶく銭よ。勉強料だと思って、もっと良いのを探すわ。それよりも・・・」



シーツから、少しだけ身を起こしながら聞いた。



「Xのことで、私を怒るんじゃないの?警察につかまると、困るんでしょう?」



その問いに、視界で身支度を整えていた男が笑う。



「ただで警察に持って行かれたならな。お前がMESSIAHの中に潜り込ませていたスパイ・・・良い記録を取っててくれたじゃないか?」

「私は無駄が嫌いなだけ。・・・その言い方だと、使えないデータじゃなかったみたいね?」

「まあな。今後のXの製造の参考になった。百鬼皇助の攻撃に耐えられた映像は大収穫だ。あの量を基準にしていけば・・・!」

「病院でバレないかしら?例の薬の存在。」

「そうならないために、ダミーでいろんな薬を打ち込んでるんだ。」



きゅっとネクタイをしめながら、私の大事な切り札がささやく。



「アキナ、お片づけはできてるよな?」

「MESSIAHが私から、薬を仕入れていた記録は消したわ。データーの修復が出来ないように、ハッカーに処理させた。薬の扱いは、下っ端のグループにやらせていたから、私までたどり着けない。黒木に私の存在は口止めはしてる。」



だからと言って、信用はしていない。