彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「家出した少年少女達、家に帰れたそうだぞ。」

「・・・・え?」



考え事をしていたので、一瞬反応が遅れる。

言ったのは、私の隣でお肉を食べていた瑞希お兄ちゃん。



「ほ、本当ですか!?」

「ああ。帰れたって言っても、一部だけだけどな。」

「一部・・・?」

「帰れない、帰せない、帰りたくない子は、渡瀬って奴がやってるNPOや児童福祉施設が動くらしい。まともな家庭ばっかじゃないってことだ。」

「そうでしたか・・・。」



帰れない、帰せない、帰りたくないの三拍子が、胸をえぐる。



(助けて終わり、めでたしめでたし、とはいかないのね・・・)



「MESSIAHの方も、あの日・・・現場にいなかったメンバーもパクられたそうだ。ホームレスの連中が作ったモンタージュがよく出来てて、それを見たガキ達が証言と証言した。似顔だけじゃなく、ガキと客をホテルに送る様子や車で売買のやり取りしてる映像を撮影していた。ついでに、誰かさんが録音して、どなたさんかに編集させたMESSIAHメンバーによる家出したガキ達に売春を強要し、逃げないように薬漬けにしてたっていう自白の録音テープが決定的な証拠になって全員逮捕だ。」

「よかった・・・ホームレスさん達の努力が、役に立ったんですね?」

「ばか、大活躍だぜ?そればかりか、ホームレスの一部は、福祉の助けを受けて住むとこと仕事も決まったぞ。」

「え!?丸山さん、就職したんですか?」



真っ先に思い浮かんだのは、私を心配してくれた若いホームレスのこと。


「丸山?」

「はい・・・中心になって動いてくれた人です・・・」

「そんな名前の奴いたか、烈司?」



瑞希お兄ちゃんの問いに、そうめんをすすっていた烈司さんが答える。