彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「だから・・・宿題が終わってたのか・・・」




(え?)




すごく悲しそうな顔になる。

瞬きして見直した時、その表情はいつものお兄ちゃんに戻っていた。




(見間違えだった・・・?)



そう思ってしまうほどの一瞬の出来事。

戸惑う私に、瑞希お兄ちゃんは口を開く。



「凛。」

「は、はい!」

「いつでも、うちで暮らせばいいからな?」

「はい・・・ええ!?急にどうしました!?」

「オメーらも、それに文句はないよな?」



私の問いをスルーして、他の4人に聞く好きな人。



「超賛成。」

「大歓迎よ!」

「まったく異議なし。」

「来いっ!!」



瑞希お兄ちゃんに答える先輩達の顔、不機嫌だったり、悲しそうだったり、いつも通りだったりだけど・・・



(なんか、怒ってる・・・??)



そんな空気をかすかに感じるようなところはあった。



「凛!部屋もあるんだから、来ていいからな!?」

「あ、ありがとうございます。」

「礼じゃなくて、わかってるか、わかってないのか答えろ!」

「わ、わかりました!」

「そうだ、そうしろ・・・!」



低い声で言うと、ギュッと私を抱きしめる好きな人。

嬉しいハグにとろんとすれば、声をかけられる。



「凛たん、食べてばっかじゃのどかわくだろう?ウーロン茶のお代わりだ。」

「凛ちゃん、あつくなーい?ミニ扇風機、近くに置いてあげるわね!」

「凛道、汗を拭くの使え。お中元で届いた高級タオルだ。汗をよく吸い取るぞ。」

「オラよ凛助!肉をほぐしてやったから食え!食え!!」

「あ、ありがとうございます・・・・。」



なぜか、みんな優しい。

百鬼まで親切なのは気持ち悪いが・・・



(私、変なこと言っちゃったみたいね・・・)



なにかはわからないが理解できた。



〔★凛に自覚はなかった★〕