「おーい!チョコちゃんとサナちゃんが来たぞ!」
「なに!?チョコちゃんが来たのか!?」
「いらっしゃい、チョコちゃん!サナちゃんも!」
「2人共、お腹すいてないか?」
「暑いから喉かわいてるでしょう?」
「チョコ君、おじさん達のところにおいで!」
出迎えてくれたのは、顔なじみになった運営委員会メンバーやパトロール参加者達。
わざわざ場所まで開けてくれ、案内されるがままに座った。
瑞希お兄ちゃんと並んで座ったところで、会長さんが言った。
「家出した子供らの件、すごいことになったな?」
「そうっすね。ニュースになりましたからね。」
「まあ、チョコちゃんは『関わってない』ってことにしといたから。」
「すみません。」
MESSIAHの事件が解決した時、瑞希お兄ちゃん経由で根回ししてくれた。
私自身、身元がバレるのが困るので、関係したことを内緒にしてもらえないか頼んだ。
さすがに、会長さん達に口裏を合わせてもらうのは無理かと思ったけど・・・
「わははは!気にするなよ!チョコちゃんのおかげで、家出少女達が保護されたわけだから特別だ。」
意外だけど応じてくれた。
「しかし、内緒にしなくてもよかったと思うぜ。悪いことしたわけじゃないんだからよ?」
「照れ屋なもので・・・」
「はははは!そんなに目立つのが嫌なのかい?龍星軍の4代目君?」
「・・・すみません。」
会長さんの言葉に、気まずい思いで頭を下げる。
そんな私の頭をなでながら会長さんが笑う。
「そんな顔するなって!まさか、チョコちゃんが総長だったとはなぁ~?」
「・・・本当にすみません・・・」
「だから、最初からそうだって言ってたじゃないですか?」
謝る私の横で、瑞希お兄ちゃんが呆れながら言う。
今回の件で、やっとチョコちゃん=凛道蓮だと理解してらしい会長さん。
「良いことしたんだから、名乗ってもいいと思うぞ~おじさんは?表彰状だってもらえるぞ?」
「いえ、賞状ほしくてしたわけじゃないですから。」
(ほしいのは瑞希お兄ちゃんの愛だから。)
〔★凛は恋愛主義者だ★〕


