彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「おーい!チョコちゃんとサナちゃんが来たぞ!」

「なに!?チョコちゃんが来たのか!?」

「いらっしゃい、チョコちゃん!サナちゃんも!」

「2人共、お腹すいてないか?」

「暑いから喉かわいてるでしょう?」

「チョコ君、おじさん達のところにおいで!」



出迎えてくれたのは、顔なじみになった運営委員会メンバーやパトロール参加者達。

わざわざ場所まで開けてくれ、案内されるがままに座った。

瑞希お兄ちゃんと並んで座ったところで、会長さんが言った。



「家出した子供らの件、すごいことになったな?」

「そうっすね。ニュースになりましたからね。」

「まあ、チョコちゃんは『関わってない』ってことにしといたから。」

「すみません。」



MESSIAHの事件が解決した時、瑞希お兄ちゃん経由で根回ししてくれた。

私自身、身元がバレるのが困るので、関係したことを内緒にしてもらえないか頼んだ。

さすがに、会長さん達に口裏を合わせてもらうのは無理かと思ったけど・・・



「わははは!気にするなよ!チョコちゃんのおかげで、家出少女達が保護されたわけだから特別だ。」



意外だけど応じてくれた。




「しかし、内緒にしなくてもよかったと思うぜ。悪いことしたわけじゃないんだからよ?」

「照れ屋なもので・・・」

「はははは!そんなに目立つのが嫌なのかい?龍星軍の4代目君?」

「・・・すみません。」




会長さんの言葉に、気まずい思いで頭を下げる。

そんな私の頭をなでながら会長さんが笑う。




「そんな顔するなって!まさか、チョコちゃんが総長だったとはなぁ~?」

「・・・本当にすみません・・・」

「だから、最初からそうだって言ってたじゃないですか?」




謝る私の横で、瑞希お兄ちゃんが呆れながら言う。

今回の件で、やっとチョコちゃん=凛道蓮だと理解してらしい会長さん。



「良いことしたんだから、名乗ってもいいと思うぞ~おじさんは?表彰状だってもらえるぞ?」

「いえ、賞状ほしくてしたわけじゃないですから。」



(ほしいのは瑞希お兄ちゃんの愛だから。)



〔★凛は恋愛主義者だ★〕