「凛・・・」
「・・・カンナ、来い。」
低い声で、戸惑っているカンナさんを呼ぶ。
固まっている足を気合で動かす。
ゆっくりとした足取りで、カンナさんの側まで行く。
渕上達を一切見ることなく、ますみちゃんがくっついてない方の腕を上げた。
手招きをする。
「り・・・!?」
「カンナ、来い。」
「・・・聞えてるよ!」
再度呼べば、舌打ちはしたが、カンナさんはすぐに来てくれた。
「凛、馬鹿相手に、あんまりキレんじゃー」
そう言って隣に来てくれた彼女の肩を抱いた。
ギュッ!
「ちょ、凛!?」
「テメーりんどー!カンナに何を!?」
悠斗君がなにか言ったけど無視した。
そして、反対の腕にいるますみちゃんを抱き寄せた。
「きゃ!?り、りっく~ん♪」
「凛!」
ギュッと2人を抱き寄せてから告げる。
「気分わりぃ。けーるぞ。」
そのまま、二人三脚の感覚で歩き出した。
〔★凛は撤収した★〕
視界に飯塚だけでなく、難波と鳥海などクラスのいじめっ子達が見えたけど無視した。
不愉快だったのっで、見ないようにして通り過ぎる。
特に、渕上ルノアに関しては、意地でも見ないようにした。
(吐き気がする。)
「聞いての通りだ。」
これを受け、龍星軍の副総長が動いた。
「龍星軍4代目総長・凛道蓮は、新たな仲間の募集はしてない。ましてや、龍星軍の集会に、他のチームを同行させない!輝夜姫はもってのほかだ!!」
「弁才天はいいの?」
可児に遠慮することなく、渕上は言った。
「走るのが無理でも、同盟組んでもらったり、傘下にだってなっていいと思ってんだけど?」
「口の聞き方に気をつけろ。オメーら輝夜姫はお断りだ。凛さんの態度見ればわかるよな?」
「なるほどね~弁才天みたいに、男の妹を使って気に入られなきゃ、集会参加も同盟もしてもらえないってこと?」
「てめっ!?」
「いい加減にしろよ馬鹿アマ。」
食い下がる渕上に、可児の代わりに意外な男が怒った。


