彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「凛・・・」

「・・・カンナ、来い。」




低い声で、戸惑っているカンナさんを呼ぶ。

固まっている足を気合で動かす。

ゆっくりとした足取りで、カンナさんの側まで行く。

渕上達を一切見ることなく、ますみちゃんがくっついてない方の腕を上げた。

手招きをする。




「り・・・!?」

「カンナ、来い。」

「・・・聞えてるよ!」




再度呼べば、舌打ちはしたが、カンナさんはすぐに来てくれた。



「凛、馬鹿相手に、あんまりキレんじゃー」



そう言って隣に来てくれた彼女の肩を抱いた。




ギュッ!

「ちょ、凛!?」

「テメーりんどー!カンナに何を!?」




悠斗君がなにか言ったけど無視した。

そして、反対の腕にいるますみちゃんを抱き寄せた。



「きゃ!?り、りっく~ん♪」

「凛!」



ギュッと2人を抱き寄せてから告げる。





「気分わりぃ。けーるぞ。」





そのまま、二人三脚の感覚で歩き出した。



〔★凛は撤収した★〕



視界に飯塚だけでなく、難波と鳥海などクラスのいじめっ子達が見えたけど無視した。

不愉快だったのっで、見ないようにして通り過ぎる。

特に、渕上ルノアに関しては、意地でも見ないようにした。




(吐き気がする。)





「聞いての通りだ。」




これを受け、龍星軍の副総長が動いた。



「龍星軍4代目総長・凛道蓮は、新たな仲間の募集はしてない。ましてや、龍星軍の集会に、他のチームを同行させない!輝夜姫はもってのほかだ!!」

「弁才天はいいの?」



可児に遠慮することなく、渕上は言った。




「走るのが無理でも、同盟組んでもらったり、傘下にだってなっていいと思ってんだけど?」

「口の聞き方に気をつけろ。オメーら輝夜姫はお断りだ。凛さんの態度見ればわかるよな?」

「なるほどね~弁才天みたいに、男の妹を使って気に入られなきゃ、集会参加も同盟もしてもらえないってこと?」

「てめっ!?」


「いい加減にしろよ馬鹿アマ。」




食い下がる渕上に、可児の代わりに意外な男が怒った。