「勝手ぬかしてんじゃねぇぞ、渕上!コントしてぇならよそいきな!」
「凛道さん。」
怒るカンナさんを無視して渕上は言った。
「うちも、龍星軍と同盟を組みたいと思ってるんですよ。」
(・・・・・・・はあ?)
同盟?
なに言ってるの?
冗談じゃないわよ。
(絶対にイヤ!!)
ただでさえ、学校で・・・菅原凛でも一緒なのに、凛道蓮でも顔合わせるなんて嫌。
今この場にいることさえ嫌。目の前にいることが嫌。
(てか、散々みんなが嫌って言ってるのに、聞えてないわけ?)
聞いてないの!?
どういう耳してるのよ、この女!?
「ねえ、返事してくださいよ?私の話・・・聞いてます?」
(それは私のセリフよ!あんたこそ、人の話聞いてるの!?)
「ねぇ、凛道さん・・・!」
甘ったるい声と顔で、渕上が近づく。
逃げようと思ったが、体が校長くして動かない。
閉じそうになる眼を必死に開けて、薄目をキープする。
「りっ君?」
心配そうにますみちゃんが腕を引っ張るが動けない。
(いやだ、いやだ、気持ち悪い!)
来ないでよ!
(あんたなんか大嫌い!)
顔も見たくないし、存在さえも消えてほしいぐらい憎いのに!
(どうして私に近寄ってくるの!)
消えろ!消えろ!キライ!キライ!!
(どっか行っ――――――――・・・・!!)
「話なら、わしが聞くで?」
そんな声が前から響く。
「わ!?」
「なっ!?」
続けざまに、渕上とカンナさんが同時に声を上げる。
(ヤマト!?)
2人の間に、関西男子が割って入っていた。
私の目の前に立ってくれたおかげで、視界から渕上の姿が消えた。


