彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「ほらお前ら!そいつら相手で気が済んだだろう!?さっさと帰れ!」



追い打ちをかけるように可児君が手で払う。



「きゃ!?怖っ!」

「てか、可児君じゃない?」

「ヤバ~い・・・こわーい!」



そんな可児君を見てさらに離れていく女の子達。



(すごい・・・)



みんなが壁になってくれたおかげで、私から野次馬達がどんどん離れていく。



「うはははは!みんな頼もしいのぅ!?」

「ホントですね・・・」



私の背後から語り掛けるヤマトにうなずけば呼ばれた。



「あーん、痛ぁい!りっ君~助けてぇ~!」

「あ!?大丈夫、ますみちゃん!?怪我したの?」



声のする方を見れば、地面に座り込むますみちゃんと、それを助け起こそうとしている秀君と悠斗君がいた。

かけよれば、男子2人の手を振り払って私に両手を伸ばすますみちゃん。



「立てますか?」

「うん、ありがとぉ~♪」



その手をにぎって抱き起せば、嬉しそうに抱き付く。



「見たかよ、あれ?」

「ああ・・・俺達が引っ張っても動かなかったくせによぉ~!」

「男の気を引く演技だと知らずに・・・」

「りんどー、気づいてないだろうなぁー」

「けっ!いつまで茶番してんだよ!?」

「円城寺君。」

「とっとと行くぞ!」



そう言って1人だけ先に進む円城寺君。



「あ、待って下さい。」

「あん、りっくん待ってよ!」

「待てよ凛!」

「カンナ!」

「やれやれ、行くか。」

「我が君、今お守りします。」

「凛さんを守るのは俺だ!」

「リンリンの背中ガード系~」



一歩進めば、みんなが私を守るように包囲しながら歩き出す。



「うははは!VIP待遇やなぁ~!」



訂正。

ヤマト以外の友達がSPをしてくれた。



〔★関西男子はマイペースだ★〕