「ほらお前ら!そいつら相手で気が済んだだろう!?さっさと帰れ!」
追い打ちをかけるように可児君が手で払う。
「きゃ!?怖っ!」
「てか、可児君じゃない?」
「ヤバ~い・・・こわーい!」
そんな可児君を見てさらに離れていく女の子達。
(すごい・・・)
みんなが壁になってくれたおかげで、私から野次馬達がどんどん離れていく。
「うはははは!みんな頼もしいのぅ!?」
「ホントですね・・・」
私の背後から語り掛けるヤマトにうなずけば呼ばれた。
「あーん、痛ぁい!りっ君~助けてぇ~!」
「あ!?大丈夫、ますみちゃん!?怪我したの?」
声のする方を見れば、地面に座り込むますみちゃんと、それを助け起こそうとしている秀君と悠斗君がいた。
かけよれば、男子2人の手を振り払って私に両手を伸ばすますみちゃん。
「立てますか?」
「うん、ありがとぉ~♪」
その手をにぎって抱き起せば、嬉しそうに抱き付く。
「見たかよ、あれ?」
「ああ・・・俺達が引っ張っても動かなかったくせによぉ~!」
「男の気を引く演技だと知らずに・・・」
「りんどー、気づいてないだろうなぁー」
「けっ!いつまで茶番してんだよ!?」
「円城寺君。」
「とっとと行くぞ!」
そう言って1人だけ先に進む円城寺君。
「あ、待って下さい。」
「あん、りっくん待ってよ!」
「待てよ凛!」
「カンナ!」
「やれやれ、行くか。」
「我が君、今お守りします。」
「凛さんを守るのは俺だ!」
「リンリンの背中ガード系~」
一歩進めば、みんなが私を守るように包囲しながら歩き出す。
「うははは!VIP待遇やなぁ~!」
訂正。
ヤマト以外の友達がSPをしてくれた。
〔★関西男子はマイペースだ★〕


