私の視界から友達2人が消え、知らない女子達が近づいてくる。
「はじめまして、凛道さん!」
「え、あの・・・?」
「あたし達、凛道さんのファンなんですけど~」
「ファン?」
「そうなんですぅ~!」
あっという間に、黄色い悲鳴に囲まれる。
「インスタしたいですけど、いいですか!?」
「プリクラ撮りに行きませんか!?」
「よかったら~カラオケにー」
「飲みに行きましょうよ!」
「え!?ちょ、ちょっと!」
近い近い!
顔が近い!
距離が近い!
顔を見られては困ると思い、身を引く。
それにお構いなしで、迫ってくる女子達。
「オラ!!いい加減にしろや!」
そんな彼女達を私から遠ざけてくれたのは、
「カンナさん!」
「うちの頭に馴れ馴れしく近づくな!」
人身事故に巻き込まれた親友。
(助かった!)
しかも、助けてくれたの彼女だけじゃなかった。
「それ同感!俺のリンリンに、接近禁止的な~」
「ちーちゃん!」
イケメンのチャラオも助けに来てくれた。
「きゃ!?この人って~」
「もしかして、もしかして・・・!」
「ヤバいよぉ~」
カンナさんの登場に顔をゆがめた女子達が、ちーちゃんを見て色めき立つ。
なぜか、頬を染めてモジモジし始める。
「もしかしてぇ~JAGUARの幡随院さん!?」
「元はそーだけど?」
「やっりそうだ!あの全国ナンバーワン半グレ!?」
「今は龍星軍だけどー?」
「ヤバーい!実物良い男すぎる!」
「生の幡随院さんに会えるなんて、幸せすぎ~!」
「はいはい、わかったら下がってくださいね~おさわり厳禁ですよー?」
「つなぐ!」
「わっ!こっちも良い男!」
「イケメン~!」
「ふふふ、カッコよくてすみません。」
群がる女子にまんざらでもない顔で対応するつなぐ。
さりげなく、私と女子達の距離を取ってくれる。


