彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




私の視界から友達2人が消え、知らない女子達が近づいてくる。



「はじめまして、凛道さん!」

「え、あの・・・?」

「あたし達、凛道さんのファンなんですけど~」

「ファン?」

「そうなんですぅ~!」



あっという間に、黄色い悲鳴に囲まれる。



「インスタしたいですけど、いいですか!?」

「プリクラ撮りに行きませんか!?」

「よかったら~カラオケにー」

「飲みに行きましょうよ!」


「え!?ちょ、ちょっと!」


近い近い!

顔が近い!

距離が近い!




顔を見られては困ると思い、身を引く。

それにお構いなしで、迫ってくる女子達。



「オラ!!いい加減にしろや!」



そんな彼女達を私から遠ざけてくれたのは、




「カンナさん!」

「うちの頭に馴れ馴れしく近づくな!」




人身事故に巻き込まれた親友。



(助かった!)



しかも、助けてくれたの彼女だけじゃなかった。



「それ同感!俺のリンリンに、接近禁止的な~」

「ちーちゃん!」



イケメンのチャラオも助けに来てくれた。



「きゃ!?この人って~」

「もしかして、もしかして・・・!」

「ヤバいよぉ~」



カンナさんの登場に顔をゆがめた女子達が、ちーちゃんを見て色めき立つ。

なぜか、頬を染めてモジモジし始める。



「もしかしてぇ~JAGUARの幡随院さん!?」

「元はそーだけど?」

「やっりそうだ!あの全国ナンバーワン半グレ!?」

「今は龍星軍だけどー?」

「ヤバーい!実物良い男すぎる!」

「生の幡随院さんに会えるなんて、幸せすぎ~!」

「はいはい、わかったら下がってくださいね~おさわり厳禁ですよー?」
「つなぐ!」

「わっ!こっちも良い男!」

「イケメン~!」

「ふふふ、カッコよくてすみません。」



群がる女子にまんざらでもない顔で対応するつなぐ。

さりげなく、私と女子達の距離を取ってくれる。