「凛、わからねぇのか?」
「カンナさんはわかるんですか?」
「おう・・・凛に会う前に、別口が来たからな。」
「別口?」
私の問いに、一言間を置いてから言った。
「龍星軍に入りたいって連中だよ。」
「え!?」
(龍星軍に入りたいって・・・)
「困りますよ。募集かけてないし、定員もいっぱいだし。」
「うはははは!凛の上限は小さいなぁー!」
「なに言ってんだ!伝統のある龍星軍が、そんな安売りできるかよ!」
「そういう問題じゃねぇだろう!いいですか、凛さん・・・」
ヤマトが笑い、円城寺君が怒る。
それに呆れながら、可児君が説明してくれた。
「弁才天と同盟を組んだのを知って、自分達もという連中が龍星軍に群がってるんですよ。」
「群がる!?初耳なんですけど?」
「お見苦しいと思い、凛さんのお耳に入れるのを控えていました。」
「じゃあ、僕以外は知ってたんですか?」
「すみません。」
「いえ、謝らないでください。僕を思ってしてくれたことでしょうから。」
「凛さん。」
「やっぱり、凛は他の男とは違うな~」
「うはははは!当然やで!なあ、凛!?」
「わかったから、ヤマトはそれ以上しゃべらないでくださいね。しかし、困りましたね・・・」
今いるメンバーだけで十分だし、たくさんいて良いものだと思ってない。
(というか、これ以上、変な人が増えても困るからなー・・・)
〔★凛もその1人★〕
難しい顔で黙る総長を察してか、副総長が声をかける。
「凛さん、同盟の申し込みの件、俺の方で何とかします。」
「可児君。」
「ただでさえ凛さん、『女』の件があるでしょう・・・」
「・・・ああ。」
可児君が言う女というのは、九條アキナのこと。
伊吹陽翔さんのお墓に備えられた花の意味を、直接初代メンバーから聞いた唯一の相手。
それを彼は気にしていた。
可児君には口止めをしたが、今のところ、ヤマトにだけは話てある。
心配をかける人間は最小限の方が良い。


