彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「みんなでお祭り、楽しいのぉ~!?うはははは!」

「そうですね・・・」



のん気なヤマトの声を聞きながら、ストローのささったドリンクを飲んだ時だった。



「あの~ちょっといいっすか?」

「え?」



声をかけてきたのは、一目でヤンキーだとわかる少年。




「「「「「「「なんだ、テメー?」」」」」」」

「うはははは!」




途端に、ヤマトとますみちゃん以外の顔が怖くなる。



(え!?何事!??)



全員でメンチを切り始める。



〔★威嚇モードに切り替わった★〕



ガンを飛ばす友達に、声をかけてきたヤンキーがビビる。



「あ、いやいや!警戒しないでください!自分、バサラの徳井というもんなんすけど~」



ビビりながらも話し始めるヤンキー。




「そちらに座ってるマスクの方って、龍星軍4代目総長の凛道蓮さんですよね?」

「そうですが・・・初対面ですよね?」




記憶にないので、ありのままに伝えれば、笑顔でそいつは言う。



「はい!そうっす!今、ちょっとだけいいっすかね?」

「え?いや、今、休憩中だか・・・」

「聞いての通りだ!」



私が言いきる前に、可児君が怖い声で言う。



「うちの総長は、忙しいんだよ!テメーと話す時間はねぇ!」

「ひっ!あ・・・じゃあ、終わった後でいいんで~」

「あん?なんだその言い方は?」



言い直す相手に、今度はちーちゃんがキレる。



「天下の龍星軍の頭相手に、タメ口か?あん?ケンカ売ってほしいんか?おい?」

「い、いえ!そういうわけでは~」

「だったら、消えろや。こっちは何も用はねぇ!」

「カンナさん!?」



可児君とちーちゃんだけでなく、隣に座ってるカンナさんまで不機嫌そうに話す。



「うちの頭に気安く声かけしてんじゃねぇーぞ!?」

「そうそう。口で言って分からないなら、力づくでお帰り願おうか~?」

「つなぐ!?」



忍者の友達が拳をならしながら近づけば、相手は後ずさる。

それに合わせて、秀君と悠斗君も同じポーズを取れば・・・・



「し、失礼しました!」



ヤンキーは大慌てで逃げてしまった。



「・・・なんだったんですか?」



意味がわからずつぶやけば、隣にいたヤンキーガールが言った。