彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「おい、いつまで男同士で立ち話してんだよ!?」

「りっ君、まだぁ~?ますみ疲れたよぉ~座りた~い!」

「うるせぇなぁ。勝手に座ればいいだろう?」

「あんたと一緒にしないでよ、高千穂カンナ!だいたい、なんで、りっ君と二人きりにしてくれないのよ!?」

「するわけねぇーだろう、ボケ!これ以上、だだこねると泣かすぞ!?」



修羅場の原因になった2人はと言えば、規模は縮小したけど喧嘩は続いている状態。

また喧嘩がひどくなるのは困るので、急いで2人の方へと駆け寄った。



「カンナさん、ますみちゃん、お待たせしてすみません。屋台巡り、しましょうか?」

「りっ君、ますみ屋台みたいけど~足が痛くて歩けな~い!」

「大丈夫ですか!?じゃあ、どこかに座りましょうか?休んでから屋台を見ましょう。」

「ありがとう、りっ君!できれば・・・手ぇ貸してくれる?上手く歩けない・・・」

「いいですよ。さあ。」



手を伸ばしてきたので、その手をにぎればぴったりと腕にくっついてくる。



「つらかったら、もたれかかっていいですからね?すぐに座れる場所を見つけますから、我慢してくださいね。」

「うん!ますみ、頑張る♪」

「けっ!見てらんねぇー!」



ますみちゃんを気遣えば、舌打ちするカンナさん。



「オメー女に甘いぞ、凛!今日からの人生、女詐欺師に気をつけな!」

「カンナさん?」

「こわぁ~い、何言ってるんだろう~?」

「あんだとテメー!?だいたいな、足が痛いのはテメーだけじゃねぇんだよ!」

「あ!?そうですよね・・・カンナさんも、足は大丈夫ですか?草履だから、痛めてませんか?」

「へ!?」



ますみちゃん付きの状態で近づき、カンナさんの足元をのぞき込む。

暗くてよく視えないけど・・・・



「鼻緒で、肌を痛める場合が多いそうです。手を貸しますので、よかったら。」



そう伝えて、ますみちゃんにしたように手を差し出す。