「おい、いつまで男同士で立ち話してんだよ!?」
「りっ君、まだぁ~?ますみ疲れたよぉ~座りた~い!」
「うるせぇなぁ。勝手に座ればいいだろう?」
「あんたと一緒にしないでよ、高千穂カンナ!だいたい、なんで、りっ君と二人きりにしてくれないのよ!?」
「するわけねぇーだろう、ボケ!これ以上、だだこねると泣かすぞ!?」
修羅場の原因になった2人はと言えば、規模は縮小したけど喧嘩は続いている状態。
また喧嘩がひどくなるのは困るので、急いで2人の方へと駆け寄った。
「カンナさん、ますみちゃん、お待たせしてすみません。屋台巡り、しましょうか?」
「りっ君、ますみ屋台みたいけど~足が痛くて歩けな~い!」
「大丈夫ですか!?じゃあ、どこかに座りましょうか?休んでから屋台を見ましょう。」
「ありがとう、りっ君!できれば・・・手ぇ貸してくれる?上手く歩けない・・・」
「いいですよ。さあ。」
手を伸ばしてきたので、その手をにぎればぴったりと腕にくっついてくる。
「つらかったら、もたれかかっていいですからね?すぐに座れる場所を見つけますから、我慢してくださいね。」
「うん!ますみ、頑張る♪」
「けっ!見てらんねぇー!」
ますみちゃんを気遣えば、舌打ちするカンナさん。
「オメー女に甘いぞ、凛!今日からの人生、女詐欺師に気をつけな!」
「カンナさん?」
「こわぁ~い、何言ってるんだろう~?」
「あんだとテメー!?だいたいな、足が痛いのはテメーだけじゃねぇんだよ!」
「あ!?そうですよね・・・カンナさんも、足は大丈夫ですか?草履だから、痛めてませんか?」
「へ!?」
ますみちゃん付きの状態で近づき、カンナさんの足元をのぞき込む。
暗くてよく視えないけど・・・・
「鼻緒で、肌を痛める場合が多いそうです。手を貸しますので、よかったら。」
そう伝えて、ますみちゃんにしたように手を差し出す。


