「凛の側に寄るな、馬鹿女！ほら、凛！そこの椅子に座ってろ！」
「なにそれ！？勝手にりっ君を介抱しないでよ！りっ君のお世話は、ますみの役目よ～！」
「テメーが原因だろうが！そして、あたしもだよ！！」
「そうよ！あんたの馬鹿力で引っ張るのがいけないのよ！この野蛮女！」
「テメーに言われたくねぇな！蛭みたいにくっつきやがって！粘着女が！」
「りっ君が優しいからって、いつでもどこでもポカポカ殴って～！暴力女！」
「凛が優しいからって、わがまま放題で迫りやがってよぉ～性格ブスが！」
「なによぉ～！？」
「あんだよっ！？」
「あ、あの・・・カンナさん？ますみちゃん？」
至近距離で睨み合ったと思えば、私の腕をそれぞれつかむ２人。
ガシ！ガシ！
「え？」
「なに凛に触ってんだよ！？凛から離れろ！」
「それはこっちのセリフよ！りっ君を離しなさーい！」
「ちょっと２人共！？なにすんで・・・いたたたた！？」
そのまま、綱引きの縄のように左右から引っ張られる。
「ちょっとぉ！あんた達やめなさい！凛ちゃんが痛がってるでしょう！？」
モニカちゃんが引き離そうとしてくれるが、
「邪魔しないでください、モニカ先輩！」
「これはりっ君をかけた戦いなの、モニカお姉様！」
「いたーい！！」
意地になってしまい、ますます強く引っ張ってくる。
〔★逆効果だった★〕
「凛を離せ、勘違い女！」
「りっ君から離れてよ、野蛮女！」
「痛い、痛い！やめてくださ～い！」
押し合いへし合いされながら、先に離脱した涼子ちゃんは賢いと思う。
「やめなさい、２人共！やめなさいって言うのに～あーもう！ちょっとみんな、手を貸して！みーちゃんっ！！」
「瑞希～ご指名入ったぞ～！そろそろ凛たんを、助けてやろうぜ～？」
「しかたねぇなぁ・・・！おーい、お前ら！凛がのびるからやめろ！」
「わははは！どういう止め方だよ、お～い！」
「まったく、世話が焼ける・・・」
モニカちゃんが瑞希お兄ちゃんを呼んでくれたおかげで、カンナさんとますみちゃんの喧嘩は終結する。
瑞希お兄ちゃんに助けてもらえたのはよかったけど、そのせいでお仕事を中断させてしまったのでがっつりと怒られたのだった。
〔★踏んだり蹴ったりだ★〕
