彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




気が合わないはずの2人からのダブル攻撃。



「ゴホゴホ!」

「大丈夫、凛ちゃん!?」

「は、肺が・・・!」



むせる私を、モニカちゃんが優しく背中を撫でてくれる。

出来れば瑞希お兄ちゃんがいいと思いながら、目当ての彼を見るけどこっちを見てくれない。



(ひどい、瑞希お兄ちゃん・・・!ちょっとぐらい、心配してくれてもいいじゃないですか・・・!?)



連れない態度の彼に構ってほしくて、気を引くことにした。



「凛ちゃん、少しは楽になった?呼吸できる?」

「うん・・・ありがとうモニカちゃん。モニカちゃん優しいから好きです。」

「あ、あらん♪照れるじゃなーい!凛ちゃんだから、優しくしちゃうのよぉ~」

「嬉しいです!今のモニカちゃん、お兄ちゃんよりも優しいですぅ~」



瑞希お兄ちゃんへの当てつけのつもりで言ったのだが――――――




「りっ君、大丈夫ぅ~!?」

「え?」

「ますみ、すごくしんぱぁーい!」

「・・・え?」




違う人の気を引いてしまった。



〔★作戦は失敗した★〕



「できることなら、変わってあげたーい!りっ君、超可哀想ぉ~!」

「いやいや、誰のせいだと思ってるんですか!?ますみちゃんがしたんでしょう!?」

「だ・か・ら♪責任取って、ますみが介抱してあげる~!りっ君のお世話役、交代しましょう、モニカお姉様♪」

「え!?ちょっと、一之瀬ちゃん、それは~」

「って、そうはさせるかボケ!」



私へと近づいてきたますみちゃんを、素早くカンナさんが追い払う。

そして、メンチをきりながらますみちゃんに言った。