彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「りっ君、ひどいよぉ~!」



怒っていたますみちゃんが、とうとう泣き始める。



「ああ、ますみちゃん、落ち着いて!泣かないでください!どうしたんですか!?」

「この期におよんで、そのセリフ・・・ありえないわ、凛道蓮・・・!」

「ちょ、久美子ちゃん!しっ!」

「りっ君のばかぁ~!」

「ま、ますみちゃん・・・!」



ますみちゃんに抱き付かれ、佐藤さんに白い目で見られ、涼子ちゃんにオロオロされて・・・・周囲の人々の視線を受け、私も私でパニックになる。



(ど、どうすればいいの!?)



瑞希お兄ちゃんに助けを求めようと、彼の方へ視線を向けようとした時だった。





「みっともねぇ真似してんじゃねぇーぞ!!」





気迫のある声があたりに響く。

人混みがわれて、見慣れた相手が現れる。



「カンナさん!?」



いつの間にか戻ってきたカンナさんが、腕を組んで立っていた。



「お帰りなさい、カンナさ――――――!」

「凛!お前、小林にも渡してたのか?」

「え?」



お出迎えの声を遮りながら、カンナさんが聞いてくる



「アクセサリー、小林涼子にもやったのかって聞いてんだよ?」

「あ、ああ・・・お土産のことですか?」

「渡したのか?」

「渡しましたよ?可愛いでしょ?」



涼子ちゃんの頭についてるヘアピンを見ながら言えば・・・




「この野郎っ!!」

パーン!

「痛い!?」




平手打ちされた。



〔★カンナの攻撃、凛はダメージを受けた★〕



「な、なにをす・・・??」

「テメーはどうしてそう、ナンパな真似をしやがるんだコラ!?」

「ナンパって、僕は何も~」

「してないわけないでしょ!?りっ君!誰がいいのよ!?誰が一番!?高千穂カンナ!?小林涼子!?一之瀬ますみよね!?」

「え!?」

「あたしを数に入れるなボケ!凛から離れろ!」

「ええ!?」

「わ、私、そんなつもりは~」

「えええ!?」

「りっ君は、ますみのなの!ほら、休憩もらって、早くデートに行こう!」

「ざけんな!休憩タイムなら、ちょっと面貸せや!色ボケ凛!」

「や、やめてください!凛君がちぎれちゃいます!休憩なら、休ませてあげて下さい!」

「僕はまだ、仕事中ですよ~!?」



私の腕にしがみつくますみちゃんと、反対の腕を引っ張るカンナさんと、そんな私を助けようとする涼子ちゃんでもみくちゃにされる。