「りっ君、ひどいよぉ~!」
怒っていたますみちゃんが、とうとう泣き始める。
「ああ、ますみちゃん、落ち着いて!泣かないでください!どうしたんですか!?」
「この期におよんで、そのセリフ・・・ありえないわ、凛道蓮・・・!」
「ちょ、久美子ちゃん!しっ!」
「りっ君のばかぁ~!」
「ま、ますみちゃん・・・!」
ますみちゃんに抱き付かれ、佐藤さんに白い目で見られ、涼子ちゃんにオロオロされて・・・・周囲の人々の視線を受け、私も私でパニックになる。
(ど、どうすればいいの!?)
瑞希お兄ちゃんに助けを求めようと、彼の方へ視線を向けようとした時だった。
「みっともねぇ真似してんじゃねぇーぞ!!」
気迫のある声があたりに響く。
人混みがわれて、見慣れた相手が現れる。
「カンナさん!?」
いつの間にか戻ってきたカンナさんが、腕を組んで立っていた。
「お帰りなさい、カンナさ――――――!」
「凛!お前、小林にも渡してたのか?」
「え?」
お出迎えの声を遮りながら、カンナさんが聞いてくる
「アクセサリー、小林涼子にもやったのかって聞いてんだよ?」
「あ、ああ・・・お土産のことですか?」
「渡したのか?」
「渡しましたよ?可愛いでしょ?」
涼子ちゃんの頭についてるヘアピンを見ながら言えば・・・
「この野郎っ!!」
パーン!
「痛い!?」
平手打ちされた。
〔★カンナの攻撃、凛はダメージを受けた★〕
「な、なにをす・・・??」
「テメーはどうしてそう、ナンパな真似をしやがるんだコラ!?」
「ナンパって、僕は何も~」
「してないわけないでしょ!?りっ君!誰がいいのよ!?誰が一番!?高千穂カンナ!?小林涼子!?一之瀬ますみよね!?」
「え!?」
「あたしを数に入れるなボケ!凛から離れろ!」
「ええ!?」
「わ、私、そんなつもりは~」
「えええ!?」
「りっ君は、ますみのなの!ほら、休憩もらって、早くデートに行こう!」
「ざけんな!休憩タイムなら、ちょっと面貸せや!色ボケ凛!」
「や、やめてください!凛君がちぎれちゃいます!休憩なら、休ませてあげて下さい!」
「僕はまだ、仕事中ですよ~!?」
私の腕にしがみつくますみちゃんと、反対の腕を引っ張るカンナさんと、そんな私を助けようとする涼子ちゃんでもみくちゃにされる。


