彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「涼子ちゃんがもらったのは、ヘアピンでしょう~?ますみがプレゼントされたのは、ペアリングで作ったペンダントだから~!ただのヘアピンやピアスとは違うから!」

「やめてくださいよ、ますみちゃん。」

「りっ君は黙ってて!そういうわけだから、ヘアピン1つで調子に乗らないでよね!!」



佐藤さんに庇われている涼子ちゃんに、きつく言い放ったますみちゃん。

言いすぎだと思って、注意しようと口を開けるが―――――――



「い、1個じゃないです!」

「はあ?」

「え?」



身を乗り出すようにして、佐藤さんの後ろから出てくる涼子ちゃん。

そして、強い口調で言ったますみちゃんに、涼子ちゃんも同じ口調で言い返した。



「わ、私、凛君から3個もらいました!おかげ様で、学校用と、プライベートと・・・使い分けることが出来るんです!」

「3個!?」



強気で言う涼子ちゃんに、ますみちゃんの顔が引きつる。



「りっ君どういうこと!?3個もあげたの!?」

「え?うん。セットだったから。」

「なにそれ!ますみ1個だけだよ!?」

「いやいや。リングとチェーンを合わせれば3個・・・」

「って!それは合体してるから1個のカウントなのよ!?ひどい!ますみにもあと2個以上買って!」

「え?僕よりお金持ちなんだから、自分のお小遣いで買えるでしょう?」

「りっ君、ひどい!!」



(たかる方が、ひどいんじゃない?)



ますみちゃんに、グイグイ腕を引っ張られながらそう思う。

彼女の方がお金持ちなのに、おかしくない?



〔★こういう時の天然は性質が悪い★〕