「涼子ちゃんがもらったのは、ヘアピンでしょう~?ますみがプレゼントされたのは、ペアリングで作ったペンダントだから~!ただのヘアピンやピアスとは違うから!」
「やめてくださいよ、ますみちゃん。」
「りっ君は黙ってて!そういうわけだから、ヘアピン1つで調子に乗らないでよね!!」
佐藤さんに庇われている涼子ちゃんに、きつく言い放ったますみちゃん。
言いすぎだと思って、注意しようと口を開けるが―――――――
「い、1個じゃないです!」
「はあ?」
「え?」
身を乗り出すようにして、佐藤さんの後ろから出てくる涼子ちゃん。
そして、強い口調で言ったますみちゃんに、涼子ちゃんも同じ口調で言い返した。
「わ、私、凛君から3個もらいました!おかげ様で、学校用と、プライベートと・・・使い分けることが出来るんです!」
「3個!?」
強気で言う涼子ちゃんに、ますみちゃんの顔が引きつる。
「りっ君どういうこと!?3個もあげたの!?」
「え?うん。セットだったから。」
「なにそれ!ますみ1個だけだよ!?」
「いやいや。リングとチェーンを合わせれば3個・・・」
「って!それは合体してるから1個のカウントなのよ!?ひどい!ますみにもあと2個以上買って!」
「え?僕よりお金持ちなんだから、自分のお小遣いで買えるでしょう?」
「りっ君、ひどい!!」
(たかる方が、ひどいんじゃない?)
ますみちゃんに、グイグイ腕を引っ張られながらそう思う。
彼女の方がお金持ちなのに、おかしくない?
〔★こういう時の天然は性質が悪い★〕


