彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「ごめんね、凛君。ご馳走になっちゃって。」

「気にしないでください。涼子ちゃん達のおかげで、みんな夏休み前に宿題が終わりましたよ。ありがとうございます。」

「そんな、みんなが頑張ったおかげだよ。ねぇ、久美子ちゃん。」

「・・・そうですね。」



涼子ちゃんの言葉に、佐藤さんはそっけない態度。


のどが渇いて元気がないのかな?



「凛君、高千穂さん達は?」

「今、他の屋台を回ってますよ。もう少ししたら来ると思います。」

「じゃあ、長居しちゃダメだね。」

「そんなことないですよ!よければ、一緒に周りましょう。僕、もう少しで休憩になりますから。」

「え!?でも、私は~」

「僕の友達じゃないですか?まさか、まだヤンキー先輩の言葉を気にしてるんですか?」

「気にはしてないけど・・・やっぱり、引きずっちゃうよ・・・」



気まずそうに言う涼子ちゃんを見て、言葉の暴力はヒドイと思う。



「涼子ちゃん、僕と先輩達とどっちが大事ですか?」

「それは、凛君だけど・・・」

「じゃあ、僕の言うことを一番に考えて下さい!」



そう告げて、強く彼女の手をにぎる。



「り、凛君!?」

「俺も涼子の言うことしか信じてないから。」



優しく微笑みかける。



「凛君・・・」

「わかってくれた?」

「・・・うん。」



不安そうだった涼子ちゃんが笑う。

つられて笑えば、ほのぼのした空気が流れる。



「凛・・・。」

「あ、できましたか、瑞希お兄ちゃん?」

「いや、もうちょっとだけど・・・お前さ・・・」

「はい?」

「わはははは!凛助は、たらしだな!?」

「天然め。」

「妬けるんですけどォ~!?」

「そこが凛たんの良いところなんだけどね~」

「凛!あんまり、女の子にベタベタ触るんじゃない!」

「はあ・・・?」



私達を見ながら言う瑞希お兄ちゃん達の言葉で、涼子ちゃんの顔が赤くなる。

今の会話のどこに真っ赤になる要素があるのか・・・謎だわ。



〔★凛の天然は性質が悪い★〕