「ごめんね、凛君。ご馳走になっちゃって。」
「気にしないでください。涼子ちゃん達のおかげで、みんな夏休み前に宿題が終わりましたよ。ありがとうございます。」
「そんな、みんなが頑張ったおかげだよ。ねぇ、久美子ちゃん。」
「・・・そうですね。」
涼子ちゃんの言葉に、佐藤さんはそっけない態度。
のどが渇いて元気がないのかな?
「凛君、高千穂さん達は?」
「今、他の屋台を回ってますよ。もう少ししたら来ると思います。」
「じゃあ、長居しちゃダメだね。」
「そんなことないですよ!よければ、一緒に周りましょう。僕、もう少しで休憩になりますから。」
「え!?でも、私は~」
「僕の友達じゃないですか?まさか、まだヤンキー先輩の言葉を気にしてるんですか?」
「気にはしてないけど・・・やっぱり、引きずっちゃうよ・・・」
気まずそうに言う涼子ちゃんを見て、言葉の暴力はヒドイと思う。
「涼子ちゃん、僕と先輩達とどっちが大事ですか?」
「それは、凛君だけど・・・」
「じゃあ、僕の言うことを一番に考えて下さい!」
そう告げて、強く彼女の手をにぎる。
「り、凛君!?」
「俺も涼子の言うことしか信じてないから。」
優しく微笑みかける。
「凛君・・・」
「わかってくれた?」
「・・・うん。」
不安そうだった涼子ちゃんが笑う。
つられて笑えば、ほのぼのした空気が流れる。
「凛・・・。」
「あ、できましたか、瑞希お兄ちゃん?」
「いや、もうちょっとだけど・・・お前さ・・・」
「はい?」
「わはははは!凛助は、たらしだな!?」
「天然め。」
「妬けるんですけどォ~!?」
「そこが凛たんの良いところなんだけどね~」
「凛!あんまり、女の子にベタベタ触るんじゃない!」
「はあ・・・?」
私達を見ながら言う瑞希お兄ちゃん達の言葉で、涼子ちゃんの顔が赤くなる。
今の会話のどこに真っ赤になる要素があるのか・・・謎だわ。
〔★凛の天然は性質が悪い★〕


