彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




一緒にいたのは、涼子ちゃんの友達の佐藤さんだった。

彼女は紫の浴衣を着ていた。



「佐藤さんも来てくれたんですね?浴衣姿、ステキですよ。」

「ありがとーございます。」

「そうだ!この間のお礼に、ドリンクおごりますね。」

「え!?いいよ、凛君!悪いよ!」

「遠慮しないでよ、涼子ちゃん。ねぇ、お兄ちゃん!?」

「もちろんだ、凛。こんばんは、リョウコちゃん。」

「こ、こんばんは、お兄さん。ご無沙汰してます。」

「こっちこそ。買いに来てくれてありがとう。隣の子は、リョウコちゃんのお友達かな?」

「あ、さ、佐藤久美子と言います。」



瑞希お兄ちゃんの問いに、いつもよりもやわらかい口調で答える佐藤さん。


なんか、私の時と態度が違わなくない?



(まさか、お兄ちゃんを狙ってたりしてないでしょうね・・・!?)



〔★凛の警戒心が上がった★〕



「リョウコちゃんも久美子ちゃんも、凛から話は聞いてるぜ。夏休みの宿題見てくれてありがとな。凛達が世話かけたお礼に、好きなのを頼んでよ。」

「そうですよ。僕のお給料から引いてもらいますから。」

「ばか。お兄ちゃんのおごりだから気にすんな。」

「え~お兄ちゃん、優しすぎますよ!」

「ばか。優しいのはリョウコちゃん達だろう?つーことで、ここは気にせず、俺にご馳走させてよ?」

「では・・・お言葉に甘えさせていただきます。」

「すみません、ご馳走になります。」



ニコニコしながら瑞希お兄ちゃんが言えば、ようやく涼子ちゃん達は首を縦に振った。



「じゃあ2人共、ご注文は?」

「それじゃあ・・・キャラメルコーヒーを下さい。」

「私も涼子と同じもので。」

「はーい!瑞希お兄ちゃん、キャラメルコーヒー2つです!」

「了解!」



私の言葉で、ドリンクを作り始める瑞希お兄ちゃん。

キャラメルコーヒーを待っている間、涼子ちゃんと話をした。