一緒にいたのは、涼子ちゃんの友達の佐藤さんだった。
彼女は紫の浴衣を着ていた。
「佐藤さんも来てくれたんですね?浴衣姿、ステキですよ。」
「ありがとーございます。」
「そうだ!この間のお礼に、ドリンクおごりますね。」
「え!?いいよ、凛君!悪いよ!」
「遠慮しないでよ、涼子ちゃん。ねぇ、お兄ちゃん!?」
「もちろんだ、凛。こんばんは、リョウコちゃん。」
「こ、こんばんは、お兄さん。ご無沙汰してます。」
「こっちこそ。買いに来てくれてありがとう。隣の子は、リョウコちゃんのお友達かな?」
「あ、さ、佐藤久美子と言います。」
瑞希お兄ちゃんの問いに、いつもよりもやわらかい口調で答える佐藤さん。
なんか、私の時と態度が違わなくない?
(まさか、お兄ちゃんを狙ってたりしてないでしょうね・・・!?)
〔★凛の警戒心が上がった★〕
「リョウコちゃんも久美子ちゃんも、凛から話は聞いてるぜ。夏休みの宿題見てくれてありがとな。凛達が世話かけたお礼に、好きなのを頼んでよ。」
「そうですよ。僕のお給料から引いてもらいますから。」
「ばか。お兄ちゃんのおごりだから気にすんな。」
「え~お兄ちゃん、優しすぎますよ!」
「ばか。優しいのはリョウコちゃん達だろう?つーことで、ここは気にせず、俺にご馳走させてよ?」
「では・・・お言葉に甘えさせていただきます。」
「すみません、ご馳走になります。」
ニコニコしながら瑞希お兄ちゃんが言えば、ようやく涼子ちゃん達は首を縦に振った。
「じゃあ2人共、ご注文は?」
「それじゃあ・・・キャラメルコーヒーを下さい。」
「私も涼子と同じもので。」
「はーい!瑞希お兄ちゃん、キャラメルコーヒー2つです!」
「了解!」
私の言葉で、ドリンクを作り始める瑞希お兄ちゃん。
キャラメルコーヒーを待っている間、涼子ちゃんと話をした。


