「おそらく凛道は、事前にMESSIAHの連中が行く場所を把握していたのだろう。その上で、ホームレスを使った。ホームレス達にMESSIAHのメンバーの行動を調べさせたのだ。MESSIAHの連中が使う施設にホームレスを配置させ、オトリ役である凛道がどこに連れて行かれてもいいようにした。緊急を要する事態になれば、ホームレスからNPO職員に知らせ、NPO職員から警察に通報させた。ホームレスとNPO職員なら、NPO職員の言うことを警察は信じるからな。NPOや警察が来るまでの間、ホームレス達にMESSIAHを見張らせた。無論、MESSIAHのメンバーと客が逃げられないように包囲までさせたのだろう。」
「マジか・・・」
(凛の奴、ホームレスだけじゃなく、NPOの知り合いまでいたのか・・・)
「そうなるよな。俺達が現場で見張るよりも前に、ホームレス連中がうろついてた理由がそれか・・・。」
「つじつまが合うわよねー見張ってるあたし達に、関山ちゃんが声をかけてきた時はびっくりしたけど・・・・」
俺はその場にいなかったが、音もなく現れた関山が、中にいる凛がピンチだと伝えたらしい。
その際、周辺をうろついてるホームレスは味方であり、警察は車で見張っているから思う存分暴れてほしいと言ってきたらしい。
引き上げる時も、真っ先に逃がしてくれたわけだが・・・
「そんな顔するなよ、瑞希。」
モヤモヤする俺を察して、烈司が肩を叩く。
「凛たんのことだから、また巻き込まれたんじゃねぇーか?」
「わかってるよ!」
「ならいいじゃんか?な?」
「まぁ・・・喧嘩のやり方覚えたってことか。」
「それだけじゃないわよ。NPO職員が家出っ子達をケアしたおかげで、スムーズに保護できたみたい。」
「なに?」
聞き返せば、モニカが言った。
「元々、未成年の家出人の話し相手になっているようなNPO団体だったから、被害にあった子達の心を癒せたみたいよ。家族や児童相談所とも、うまく連携できてるみたい。今後もね。」
(凛は・・・・そこまで読んだのか・・・?)
「さすが俺達の後輩だな?」
「・・・そうだな。」
危なくて見てられないと思ってたが・・・
「いつの間にか、精神的にも成長してたのか・・・」
「まさに、神対応だよな?」
「良い男に育ってるわぁ~つばつけとこうかしら♪」
「余計なことをするな、モニカ。発育が悪くなる。」
「せめてMサイズにならないとなぁー!わはははは!」
可愛い弟の後輩の成長を、しみじみ語ったところで確認する。


