彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




ウィッグをはずし、化粧を落とす。

女の服を脱いで、シャワーを浴びなおした。

男の服に着替て部屋に戻れば、ツレ達がニヤニヤしながら待っていた。



「どうだった、瑞希?お姉さんとして凛に接した感想は?」

「いいなぁーみーちゃん!凛ちゃんに優しくしてもらえたんじゃない~?」

「凛道はフェミニストなところがあるからな。」

「わはははは!」

「うるせぇ馬鹿野郎。」



俺の部屋に集まるツレ達をあしらいながら聞く。



「状況はどうなんだ?」

「パクられたぜ。」



タバコに火をつけながら烈司が答える。



「MESSIAHの黒木とその仲間は、現行犯でみんな捕まった。あの場にいた客共はもちろん、データに保存されてた常連達も逮捕までカウントダウン入ってるぜ?」

「そうしてもらわないと困るぜ。伊織、こっちでおさえた証拠も送ったよな?」

「匿名で投稿しておいた。ついでに、もみ消す恐れのある顧客の犯罪の証拠は、ネットにあげておいた。」

「ナイスなえげつなさだ。」



グッと親指を立てれば、全員が同じポーズをする。



「少年少女はどうなった?」

「全員保護された。無論、監禁されていたガキたちもだ。」

「てことは・・・マンションの方もか。」



MESSIAHが複数のアジトに、未成年を監禁しているのは知っていた。

ただ、常に移動するので、どこに子供達がいるか探すのが大変なのだが・・・



「そっちも知らせてくれたんだな、伊織?」

「俺達ではない。」

「はあ?」

「監禁されていると通報したのは、夜回りで家出少女の保護を行っているNPO職員だ。」

「なに!?NPOが?」

「なんでも、少女を連れ込むのを見たホームレスが、知り合いのNPO職員に連絡して、職員が警察に通報したそうだ。ガキ共が監禁されていた5か所すべてが、その流れで同じNPO団体の職員が通報してきたそうだ。つまりこれは、偶然じゃない。」

「・・・まさか?」

「凛道の指示だろう。」



俺の問いに、ニヤリと笑う伊織。