ウィッグをはずし、化粧を落とす。
女の服を脱いで、シャワーを浴びなおした。
男の服に着替て部屋に戻れば、ツレ達がニヤニヤしながら待っていた。
「どうだった、瑞希?お姉さんとして凛に接した感想は?」
「いいなぁーみーちゃん!凛ちゃんに優しくしてもらえたんじゃない~?」
「凛道はフェミニストなところがあるからな。」
「わはははは!」
「うるせぇ馬鹿野郎。」
俺の部屋に集まるツレ達をあしらいながら聞く。
「状況はどうなんだ?」
「パクられたぜ。」
タバコに火をつけながら烈司が答える。
「MESSIAHの黒木とその仲間は、現行犯でみんな捕まった。あの場にいた客共はもちろん、データに保存されてた常連達も逮捕までカウントダウン入ってるぜ?」
「そうしてもらわないと困るぜ。伊織、こっちでおさえた証拠も送ったよな?」
「匿名で投稿しておいた。ついでに、もみ消す恐れのある顧客の犯罪の証拠は、ネットにあげておいた。」
「ナイスなえげつなさだ。」
グッと親指を立てれば、全員が同じポーズをする。
「少年少女はどうなった?」
「全員保護された。無論、監禁されていたガキたちもだ。」
「てことは・・・マンションの方もか。」
MESSIAHが複数のアジトに、未成年を監禁しているのは知っていた。
ただ、常に移動するので、どこに子供達がいるか探すのが大変なのだが・・・
「そっちも知らせてくれたんだな、伊織?」
「俺達ではない。」
「はあ?」
「監禁されていると通報したのは、夜回りで家出少女の保護を行っているNPO職員だ。」
「なに!?NPOが?」
「なんでも、少女を連れ込むのを見たホームレスが、知り合いのNPO職員に連絡して、職員が警察に通報したそうだ。ガキ共が監禁されていた5か所すべてが、その流れで同じNPO団体の職員が通報してきたそうだ。つまりこれは、偶然じゃない。」
「・・・まさか?」
「凛道の指示だろう。」
俺の問いに、ニヤリと笑う伊織。


