すぐさま、バイク急停止するミクお姉さん。
止まったと同時に、私はバイクから飛び降りた。
「凛・・・じゃなくて、蓮君!?」
「早く女の子達を助けないと!」
目の前で起きた事故に、戸惑いつつも現場に向かう。
そして、近くまで駆け寄って気がつく。
「ウェイウェイウェイ・・・・♪」
「あ!?」
ツッコんだバイクに、まだ人が乗っていた。
それもよく知ってる人物。
「ちーちゃん!?」
「ヤッホー、リンリン♪」
〔★チャラオが現れた★〕
私が見たのは、ちーちゃんだけどちーちゃんじゃない。
口調はご機嫌だけど、顔は笑っていない。
JAGUARの総長として恐れられた幡随院長政の顔をした友達がいた。
彼は私に笑顔を見せると、軽やかにバイクから降りる。
「こんのアホはよぉ~」
メキメキ!
車からバイクを引き離す。
ガッシャーン!
金属音とはじけるパーツがあたりに散乱する。
ちーちゃんは手を伸ばすと、助手席からそいつを引きずりだした。
「た、助けてっ・・・・!!」
「久しぶりだな、黒木?」
道路にたたきつける・・・というか、勝手に転がり落ちたMESSIAHのボスに言った。
「俺の前で、売春と薬はしないって誓ったよな・・・!?」
「たす、助けてくれ!足、折れて・・・」
「日本語通じねぇーのな?」
そう言った彼は、手を振り下ろしていた。
その手には、竹刀が握られており・・・
ヒュン!!
バキ!!
「ぎゃあああああああああ!!」
ためならいなく、黒木へと叩きつけられた。
「俺の目の黒いうちは、勝手はさせねぇーんだよ・・・クズがっ・・・!!」
「ちーちゃん・・・・」
(こっわいな・・・)
チャラい姿を見慣れているだけに、真面目に怒る彼は迫力があった。
これにより、にぎやかなはずの交差点が静かになる。
お葬式よりも静かな気がした。
〔★サイレント・ナイトになった★〕


