「すごいですね、ミクお姉さん!?」
「探偵だからね?」
(その言い方だと、ミクお姉さんの演技になってませんよ?)
瑞希お兄ちゃんらしい口調で、決めセリフを言う女探偵さんを可愛いと思う。
そんな甘い思いを抱いている間にも、バイクはどんどん加速していく。
「奴らはこの先よ!」
そう言った時、視界に映った。
「あ!?あの車です!」
見間違えるはずのない車種。
何度も乗り降りした車。
黒木達と人質の少女達が乗っている車を発見した。
「逃がさないんだから・・・!」
色っぽく笑うと、さらにスピードを上げるお姉さん。
ババババババババ!
高速で、黒木達の乗った車を追いかける。
こちらに気づいたらしい敵の車が、他の車を乱暴に追い越しながら進む。
しかしそれに、ぴったりとくっついていく瑞希お兄ちゃん。
サイレンの音も近くなる。
「どうやって止めるんですか!?」
「何とかパトカーまで誘導して、パクらせる!」
「出来ます・・・?」
「やるしかねぇよ!」
「男らしいですね、ミクお姉さん?」
「な!?何言ってるのよ!誘導して差し上げるわ!おーほっほっほっ!」
そういう作戦を立てたのだったけど・・・。
ブオーン!!
「「えっ!?」」
黒木達が乗った車が、広い十字路に突っ込む。
信号は赤だったのに、お構いなしで進んだ。
「信号無視した!」
「舌かむから黙れ!捕まれ!」
その指示で、このまま追いかけるんだとわかったけど。
フォア、フォア、フォアアアアン!!
「え?」
右から何かきた。
フォアアアアアア―――――――ン!!
猛スピードで、単車が視界を横切ったと思ったら。
ドドーン!!
「「ええ!?」」
速度を落とすことなく、車の助手席にぶつかった。
「う、ああああああああ!?」
「ウィリーで、助手席狙って突っ込んだ!?」
驚く私と、冷静に分析する瑞希お兄ちゃん。
〔★事故の目撃者になった★〕


